松谷 武判の世界 [Takesada Matsutani]
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場所は大阪の福島、旧メリヤス会館のラッズギャラリ(LADS GALLERY)で、松谷氏と具体美術協会からの古い友人などと同席で、パリの近況や渡仏した時の事、若い頃の具体美術協会との関わりなどで、土曜日の午後、穏やかな時が流れた・・・
具体美術協会は吉原治良(ゴールデンサラダ油の吉原製油社長)によって1954年に結成し「人の真似をするな」の指導のもと、従来の表現や素材を次々と否定して新しい美術活動として、芦屋を中心に、関西にその活動を展開し、嶋本昭三、山崎つる子、正延正俊、上前智祐、吉原通雄、吉田稔郎、白髪一雄、村上三郎、金山明、田中敦子、元永定正などを輩出する。
1960年代にヨシダミノル、今中クミ子、向井修二、松谷武判、前川強、堀尾貞治ら新しい世代が登場。
1962年には、吉原の所有する土蔵に本拠地「グタイピナコテカ」が大阪・中之島に開設、ジャスパー・ジョーンズ、サム・フランシスなどがおとずれたり、アンフォルメルの主導者であったフランスの美術評論家ミシェル・タピエらの注目を集め、日本における、現代美術のさまざまな分野の先駆者として世界に「GUTAI:具体」としてパフォーマンスアートやハプニング、インスタレーションなどを生み出して、1970年の大阪万博<EXPO'70>後の1972年に、吉原の死によって解散する。
ラッズギャラリ:LADS GALLERY
松谷武判個展<1月22日まで>
住所:大阪市福島区福島 3-1-39 メリアス会館 102号
結成50周年記念「具体」回顧展|兵庫県立美術館
http://www.artm.pref.hyogo.jp/2002-2008old/exhibition/t_0401/main.html
松谷武判氏は、ボンドを使用したレリーフの作品で、独自の「盛り上がる黒」を完成させ、1966年にフランス政府留学生選抜、第1回毎日美術コンクールでグランプリを受賞し、渡仏してから45年余のパリでの制作活動が今も続いている。勿論初期の留学生活費の後は、皿洗いとかのバイトが続いていた様ですが・・・
彼曰く「苦しい時でもパリで、具体だったと云う事は、やはりプラスになってたな〜」・・・
吉原が渡仏した時のパリでは、エコール・ド・パリ:École de Paris後の「狂乱の時代:レ・ザネ・フォル Les Années Folles」が終わり、1940年代から1950年代には抽象表現主義の時代に入り、アメリカとフランスの美術界は戦後美術の前衛の主導権をめぐって争う状態であり、アメリカはポロックらの優れた作家を輩出し、優れた理論武装を行った抽象表現主義が次第に優勢となり、ヨーロッパや日本の美術ではアンフォルメル(非定型の芸術)が重要な流れとなり、渡仏した吉原も藤田嗣治らの助言で独自性の指摘を含め、その流れの中で抽象絵画へと転換し、具体の基を形成して行く・・・
「ま〜、美、そんな哲学めいた事、うん〜なかなか難しいな〜」
でも・・・
「日本とは何か、日本人とは何かをものすごく考え、自分しか出来ない独自性の表現、深い審美のオリジナリティーは、今も考えてるな〜。でないと・・・パリでは通用せんし、見向きもしてくれんヨ〜」今は、柔らかく濃い鉛筆で、黒く塗りつぶす作品へと進化しながら・・・・
松谷さんの中に「具体」は生き続け、吉原が説く「人の真似をするな」は今も体に染み付いている様です・・・
松谷 武判:Takesada Matsutani
1937年 大阪生まれ。関西を拠点とした前衛美術集団「具体美術協会」のメンバーとして活躍。
1962年 ボンドを使用したレリーフの作品を発表し、その官能的な形と独創性が高い評価を受ける。
1966年 フランス政府留学生選抜、第1回毎日美術コンクールでグランプリを受賞し渡仏。
1967年 S.W.ヘイター氏の版画工房「アトリエ17」に入門し、69~70年に同氏の助手を務める。
1970年 独立しモンパルナスにシルクスクリーン版画工房を作る。
1980年 柔らかく濃い鉛筆で、黒く塗りつぶすという独自のスタイルを確立。
2002年「現代美術の普及振興に貢献した」として西宮市文化賞を受賞。
The World of Takesada Matsutani (松谷武判の世界)|オフィシャルサイト
http://www.cafedream.info/art/matsutani_hp/
http://www.newsdigest.fr/newsfr/content/view/1623/84/
http://www.cohju.co.jp/artist/matsutani.html
http://spysee.jp/松谷武判/1276529/
http://www.nishi.or.jp/contents/00002469000200005.html
(以下・参考サイト)
具体美術協会(ぐたいびじゅつきょうかい、具体美術、具体、GUTAIとも)は戦前から活躍していた前衛画家・吉原治良を中心に1954年に兵庫県芦屋市で結成した団体。
http://ja.wikipedia.org/wiki/具体美術協会
http://ja.wikipedia.org/wiki/吉原治良
http://ja.wikipedia.org/wiki/パフォーマンスアート
http://ja.wikipedia.org/wiki/ハプニング
http://ja.wikipedia.org/wiki/インスタレーション
結成50周年記念 「具体」回顧展|兵庫県立美術館
http://www.artm.pref.hyogo.jp/2002-2008old/exhibition/t_0401/main.html
エコール・ド・パリ:École de Paris
http://ja.wikipedia.org/wiki/エコール・ド・パリ
狂乱の時代:レ・ザネ・フォル Les Années Folles
ベル・エポックと対比して、1920年代をレ・ザネ・フォル(Les Années Folles 狂乱の時代)と呼ぶ・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/ベル・エポック
藤田嗣治
http://ja.wikipedia.org/wiki/藤田嗣治
アンフォルメル(フランス語:Art informel、非定型の芸術)は、1940年代半ばから1950年代にかけてフランスを中心としたヨーロッパ各地に現れた、激しい抽象絵画を中心とした美術の動向をあらわした言葉である。同時期のアメリカ合衆国におけるアクション・ペインティングなど抽象表現主義の運動に相当する・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/アンフォルメル
アメリカとフランスの美術界は戦後美術の前衛の主導権をめぐって争う状態にあった。ポロックらの優れた作家を抱え、優れた理論武装を行った抽象表現主義が次第に優勢となり、今日から振り返ると1940年代から1950年代の現代美術は抽象表現主義の時代であったとされることが多い。しかし、ヨーロッパや日本の美術を振り返る上でアンフォルメルは欠かせない存在である。
抽象絵画(ちゅうしょうかいが)は、抽象芸術・抽象美術のうちのひとつ。一般にはカンディンスキーが抽象絵画の創始者と言われており、その時期は1910年頃とされている・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/抽象絵画
抽象表現主義(ちゅうしょうひょうげんしゅぎ、Abstract expressionism)とは、1940年代後半~1950年代のアメリカ合衆国の美術界で注目された美術の動向である・・・
代表的な作家は、ジャクソン・ポロック、バーネット・ニューマン、マーク・ロスコら・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/抽象表現主義
http://ja.wikipedia.org/wiki/ジャスパー・ジョーンズ
http://ja.wikipedia.org/wiki/サム・フランシス
http://ja.wikipedia.org/wiki/ジャクソン・ポロック
http://ja.wikipedia.org/wiki/シュルレアリスム
表現主義(ひょうげんしゅぎ)または表現派(ひょうげんは)とは、様々な芸術分野(絵画、文学、映像、建築など)において、一般に、感情を作品中に反映させて表現する傾向のことを指す・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/表現主義
http://ja.wikipedia.org/wiki/アクション・ペインティング
http://ja.wikipedia.org/wiki/カラーフィールド・ペインティング
前衛書道(ぜんえいしょどう)とは、前衛的に書かれる書道のこと。
第二次世界大戦後に新しい芸術観に基づいて起こった革命的な書道芸術運動によって開拓された新しい書道の分野。運動の先駆者には主に上田桑鳩や宇野雪村、比田井南谷が挙げられる。 その後、急速に発展し、現在では盛んに書かれている分野の一つになった。 「墨象(ぼくしょう)」とも呼ばれる。
http://ja.wikipedia.org/wiki/墨象
1956年に渡米。抽象表現主義絵画が全盛期のニューヨークで、作品を制作する。文字の決まり事を離れた新しい墨の造形を試み、その作品は水墨の抽象画=墨象と呼ばれる。アメリカ滞在中、数回の個展を開き高い評価を得るが、乾いた気候が水墨に向かないと悟り、帰国。以後日本で制作し、各国で作品を発表している。
http://ja.wikipedia.org/wiki/篠田桃紅
http://ja.wikipedia.org/wiki/篠田正浩
http://ja.wikipedia.org/wiki/現代美術
古代から現代までの西洋における美術の歴史を記述・・・
http://ja.wikipedia.org/wiki/西洋美術史
西洋美術史一覧 ゴシック~20世紀前半 時代・様式&代表的な画家
http://art.adech.biz/
西洋美術史を超シンプルに、且つわかりやすく解説した2chの書き込みがすごい!
http://jp.blogs.com/2010/10/easten-art-history.html
『西洋美術史入門』 | 弐代目・青い日記帳
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=2781
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