インスタレーションの「キャンバス」
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インスタレーション:Installation art は、1970年代以降一般化し、絵具やキャンバス、粘度や大理石、ブロンズなどの、伝統的な美術の画材を放棄して、工業的な生の素材や自然の石や木、産業廃棄物さえも巻き込み、空間全体を作品にし、名画を見る様に一点一点、作品を「鑑賞」するというより、作品に全身を囲まれて空間全体を「体験」し「見たり、聞いたり、感じたり、考えたり」する、空間全体を作品として体験させる芸術として発展する・・・(以下、ネットから抜粋)
Breathtaking Rooms Filled with Thousands of Balloons
http://www.williamforsythe.de/installations.html?no_cache=1&detail=1&uid=22
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Scattered Crowd is a magnificent spacial installation featuring thousands of balloons by German choreographer William Forsythe. The multi-disciplined artist forces visitors to his site-specific installation to not only take in the gorgeous, magical effect of the piece, but to also interact with the space.
それは、1912年以降から油絵を放棄したマルセル・デュシャンや、ヴェネツィア・ビエンナーレで大賞をとるルーチョ・フォンタナが、キャンバスを切り裂いた作品を制作し、ローマでバイク事故のため32歳の若さで亡くなったピーノ・パスカーリが、1966年「海」で大理石やブロンズや木ではなく木枠に張ったカンヴァスと云う「偽彫刻:にせちょうこく」で展示空間を構成した作品が生まれた時、「美」のキャンバスは、絵の具と云うくさりをほどき、平面を飛び出し、空間を彷徨い始めたようだ・・・
(Arne Quinze)
http://en.wikipedia.org/wiki/Arne_Quinze
(ベルギー・ブリュッセルのフラマン語圏議会建物前に設置された恒久設置)
http://www.arch2o.com/camille-arne-quinze/
(Ernesto Neto:エルネスト・ネト)
http://en.wikipedia.org/wiki/Ernesto_Neto
(A Liquid Finger Touch:リキッド・フィンガー・タッチ)
1906年にパリのパンテオンに展示
http://www.albatro.jp/birdyard/illustration-art/ernesto-neto-art/index.htm
「エスパス ルイ・ヴィトン東京」で、ブラジルを代表する現代アーティスト、
エルネスト・ネトによる個展「Madness is part of Life」を開催。
2001Polyamide, styrofoam and sand
An Epic Installation in Wade Thompson Drill Hall
Curated by Tom Eccles.
http://www.armoryonpark.org/photo_gallery/slideshow/ernesto_neto_in_the_wade_thompson_drill_hall
ドイツの芸術家、HA Schult によるインスタレーション 。ケルン大聖堂前広場にて
http://good-allthingsgood.blogspot.jp/2013/01/this-years-10-most-compelling-cultural.html
http://www.smh.com.au/travel/culture-on-every-corner-20130111-2ck9s.html
いや、むしろインスタレーションの元の「設置」「展示」「インストールする」という意味から、古くは建物の壁面などへの作品展示も「インスタレーション:installation 」と呼ばれたとすれば、古きローマの泉と呼ばれる広場や水飲み場の彫刻、橋に架かる欄干と数々の彫刻たち、教会の至る所に飾られた建築と装飾物や彫刻との融合、その内部の壁面の絵やステンドグラスなど。
例えば有名な、ミケランジェロの奥行40.5メートル、幅14メートルのシスティーナ礼拝堂天井画に見られるように、各人物像の話の中身を明確に区切るように、あたかも柱があるように、装飾的目的でみせかけの柱などの建築枠組を描き、その見せかけの建築形態の中に各物語の人物を描いているのを考えると、それらは古きよりの「美」のインスタレーションの仕法だったのかも知れない・・・
(詳しくは以下サイトをお読み下さい) ↓
keiko's paris journal <ライター角野恵子のパリ通信>
Rudolf Stingel /Palazzo Grassi - ルドルフ・スティンゲル展/パラッツォ・グラッシ
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会場のパラッツォ・グラッシへ行きこの目で確かめました。
ほんとうに、グランドキャナルに立つ宮殿の中がすべて、キリムで覆われ・・・
そのキリムは、写真ではアンティークに見えていましたが、化学繊維で、しかも「プリント」でした・・・
http://keikoparis.exblog.jp/18654913/
日本では、華道家、草月流三代目家元の勅使河原宏(てしがはら ひろし/1927〜 2001年)が、生け花としての「インスタレーション」を提唱し、ミラノやニューヨークといった世界各地で「竹」を使った個展を開催している・・・
勅使河原宏展・1997年・広島市現代美術館
←「勅使河原宏展−限りなき越境の軌跡」
エントランスの竹のトンネル
勅使河原 宏(てしがはら ひろし)1927年〜 2001年は、日本の華道家、映画監督。草月流三代目家元 夫人は女優の小林トシ子・・・
ミラノ、ニューヨーク、ソウルといった世界各地で「竹」を使った個展を開催。その規模の大きさに加え、自由で独創的な表現方法が注目される。国内での活動も目覚しく、猪熊弦一郎美術館や広島市現代美術館など、全国各地で個展を開催。また、いけばなとしての「インスタレーション」を提唱、発表する。この新しい表現方法は、従来の華道の枠を超えた芸術として、見る人を驚かせた。
また、舞台美術の創作にも精力的に取り組み、オペラ『トゥーランドット』(1992年)を手始めとして『スサノオ』(1994年)『スローカ』(1999年)同年作、『すさのお異伝』を手掛ける。宏が生涯拘り続けた花材「竹」で構成した舞台美術と演出は、各地で多大な評価を受ける。後進に假屋崎省吾等がいる。
陶芸、書に於いてもオリジナリティ溢れる才能を発揮。舞台美術家としての活動など・・・
1991年竣工のあやとり橋のデザイン。
http://ja.wikipedia.org/wiki/勅使河原宏
1999年のヴェネチア・ビエンナーレに出品した壁長20mにおよぶ大作
ルイヴィトンと草間彌生がコラボレーションが話題になっていますが、そのコンセプトショップがロンドンのデパート「セルブリッジズ」に登場しました。
草間彌生の強迫的なまでの水玉模様を全面に押し出した、鳥肌モノの内装になっています。
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「草間彌生 永遠の永遠の永遠」展
http://ja.wikipedia.org/wiki/草間彌生
箱根彫刻の森美術館の「ネットの森」は、造形作家・堀内紀子の手編みによる巨大なネット・・・
遊びを通して作品を鑑賞できるプレイスカルプチャー
(遊戯彫刻:子供たちが中に入って遊ぶことができる造形作品)
http://www.hakone-oam.or.jp/40th/netnomori.html
http://namihey-photo.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301171926-1
http://ja.wikipedia.org/wiki/箱根_彫刻の森美術館
A découvrir, les superbes installations et peintures murales de l’artiste italien Esther Stocker qui réalise des fresques et des pièces entièrement peintes, du sol au plafond, de motifs monochromes géométriques donnant tour à tour un effet 2D ou 3D à ses créations. Minimalistes et pures, toute notre sélection dans la suite !
http://www.estherstocker.net/
カラフルな傘が空に浮かぶ街アゲダへ・・・
ポルトガルに行こうと思ったきっかけは、あるサイトで見かけた1枚の写真。
それは、カラフルな傘が空一面に浮かぶ、とってもステキな写真でした。
「いつか、実物を見たい!」
そこで目にしたのは、夢にまで見たこの景色・・・
http://www.haconiwa-mag.com/odekake/2013/09/portugal-01.php
実際にはジャングルジムではないが、シンプルな構造とプログラミング制御されたライティングで見た事も無いようなインスタレーションを作り続けているのがロンドンのクリエイター集団United Visual Artists(UVA)だ。
そのUVAから、あらたな作品"Origin"が公開された。
ロンドンのクリエイター集団United Visual Artists(UVA)
http://www.uva.co.uk/work
Suspended more than 25 meters above the piazza of the K21 is Tomás Saraceno‘s gigantic installation in orbit.
http://www.urdesign.it/index.php/2013/06/20/tomas-saraceno-in-orbit-installation-at-k21-standehaus/
まるで宙を浮いているような気分になれるインスタレーション「in orbit」です。
アーティストのTomas Saracenさんが、ドイツのデュッセルドルフにある現代国際アート美術館、k20州立美術館に作ったのは、25メートルの高さに鋼製の網のようなものを張り巡らせ、そこに球体を浮かばせた作品。
実に2500m四方の広さを包囲する巨大なアートです。
見るだけでなく、実際にこの作品の上に乗ることができます。
http://www.roomie.jp/2013/07/86982/?utm_source=antenna
インスタレーションの絵の具は「地球上の総て」、キャンバスは「空:くう」、出来上がった物は、地球への自由気ままな人間の心の落書き。好きか嫌いかが、貴方自身の心の感動とその充実の時間・・・
そして、それらインスタレーションのキャンバスは永久保存が出来ず、美術館などで常設展示は勿論なく、再び見たり体感する事は出来ない。従ってインスタレーションのキャンバスで「体験」する事が出来るのは限られた期間のみ。後は陽炎の様にはかなく消え、人々の脳裏の記憶に感動を残す・・・
では皆さん、ぜひとも展示期間中に「絵」では無い「インスタレーションのキャンバス」の中を一度は歩き「美」を感じてみて下さい・・・