資本の果実 [ Adam & Eve 禁断の木の実 ]
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そして、その人なりに、一生懸命働けば、家族が集える家が建つ自然な社会を形成する。
戦後、高度成長期に青春を迎えた頃から・・・
時に、生産過剰がゆえの景気後退を迎えながらも、一品大量生産から、多品種少量生産へと変化し、多様な商品が店先を賑わしていった。でも生産と消費の円滑な一巡のなかに果実は存在し、一生懸命働けば家が建つ自然な社会があった。果実は、より良い生活基盤の種を社会に蒔き、資本の太陽に照らされ、技術革新等や、新たなシステムを作り出し、進化発展の双葉を成長させた。そして新たなより良い社会を作り出し、再び、より良い果実を実らせて来た。
この日本の失われた10年に、その果実は奪われた。
金銭暴力で奪い取るファンド、利子の付かない公定歩合、円滑に社会に還元出来ない官僚、当落ばかりを考える政治家、期間満了までに利益を優先する経営者など・・・
「偽」と云うすれすれのところで、万民の資本分配の果実を奪い取っている。
そして今、グローバルスタンダードと云う名の輸出優先の経済復興戦略もかげりを見せ、バブル期の金銭負債で返せた塩ずけの土地よりもひどい、負の心の遺産を残し・・・・
資本主義の自由は歪み、平等は薄れ、博愛も消え始めた。
(正社員・契約社員・非正規労働者・パート・ウオーキングマザー・・・資本主義階級社会?)
そして、資本主義が持つ、万民に応分に行き渡る果実を得ぬ民は、死にいたる心の病を背負ってしまった。
(年間3万人強の自殺者 X 11年 = 33万人強。まるで内戦に近い数字となる)
果実が応分に行き渡らない以上、より良い果実を実らせる事は出来ない。奪い取られた資本の果実を取り戻し、
創世記、神が禁断の木の実を食べたアダムとイヴを楽園から追放し、楽園を取り戻した様に・・・
・・・Libertyとは奪う事の自由だったのか・・・・ではない・・・
日本的で未来の子供達に胸を張れる、万民に応分に行き渡る資本の果実を実らせよう。
反骨精神旺盛な為、鼻っ柱を殴られ、へし折られたミケランジェロは、システィーナ礼拝堂に、禁断の木の実を食べたアダムとイヴを描いている。それは、資本の果実では無いが、一つの警告かも知れない・・・
システィーナ礼拝堂(創世記の物語・原罪と楽園追放)
http://art.pro.tok2.com/M/Michelangelo/genesis.htm
神はアダムとイヴに楽園にあるどの木の実も食べて良しとした。ただ、知恵の木の実だけは、食べることを禁じた。地上で一番こうかつな蛇が、イヴに神の命令にそむいて、禁じられた知恵の実を食べるようすすめた。イヴはそれを食べて、アダムにも食べるよう勧めた。
神はアダムとイヴの行為を強く非難し、楽園から追放した。
アダムとイヴは楽園の東側に住むようになった。
楽園にもう一つの重要な木があった。それは命の木で、神は智天使ケルビムを派遣し、回る炎の剣を置いて、二人がその木の実をも食べないよう用心した。
美の巨人たち・ミケランジェロ「天地創造」
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/040724.htm